【手縫いならではの縫製手段】


革の断面に対して斜めに針を通して縫い上げていきます。
綺麗な縫い目に仕上げるには、私自身色々な方法でチャレンジして試行錯誤しました。
その経験と努力により、自分だけの最高といえる方法を見つけ出しました。
誰かに教えてもらえば簡単に技術を習得できるかもしれません。しかし、
数多くの失敗や発見を自分で経験してこそ、己の自信へとつながり唯一自分だけの
我流を身につけれるのだと思います。

◆手作りならではの手縫い◆


コツコツと手間をかけ、一目一目糸を絞めあげていきます。
オーダーメイドや自主製作品に どんどん手縫いを活用しています。
ある程度コシのある革に最適。 昔はもっぱら麻糸を使っていましたが、
近年では、強度の面で優れているナイロンや ポリエステル系の物を使用しています。

◆型作り(寸法出し)の様子◆


鞄作り第1の作業開始です。
完成をイメージして試行錯誤を繰り返し 完璧な型を作っておきます。 私の場合、
寸法書きや型紙に大事なことを 落書きのごとく記入してしまうクセがあります。
一つだけのオーダーメイドでも 何百という数ものであろうと、 最初に型を作るのが
とてもたいへんな作業なのです。

◆革の切り口(コバ)の仕上げ◆



革の切り口は綺麗に色々な手段を用いて磨きあげます。
昔ながらの方法では天然ふ海苔ですが、その他にも 目止め剤や樹脂系の物、
ロウなど様々なものを使いわけています。
その良し悪しは作り手が判断して納得のいく手段を決めます。

◆5代目の愛用する包丁◆


私たちの工房では、包丁は自分のもの以外は使ってはいけません。
自分の包丁を自分で納得のいくように、刃を研ぎます。 それぞれ、刃の研ぎ方が違い、
使用目的によって使い分けています。 なお、5代目のものは左手用と右手用があるそうです。

◆裁断後の生地へのこだわり◆


その時の天候などにもよりますが、 ナイロン生地などは、 裁断後よく伸びてしまいます。
湿気の多い雨の日などの裁断はとても憂鬱です。 仕事はなんでも、気持ちの持ちよう。
なるべく速やかに美しく積み重ねていきます。